ISPM No.15 の 臭化メチル燻蒸規準が改訂に ISPM REPORT

ISPM No.15 の 臭化メチル燻蒸規準が改訂に

nternational Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.06‐34
日本では、なぜか、臭化メチル燻蒸が事実上停止になっていたようですが、2006年8月9日付けで農林水産省の「輸出用 木材こん包材消毒実施要領」が、ISPM No.15新基準に沿って変更になりました。
SPM No.15 を採択したFAO(国連食料農業機構)のIPPC(国際植物保護会議)では、中国・韓国などの主張を容れて2006年6 月にISPM No.15別表1 の燻蒸基準を改定しました。(中国・韓国ではISPM No.15規準を導入したものの、マツノ材センチュウ生息国からのMB 燻蒸の場合は、ISPM No.15 よりも厳しい燻蒸消毒条件を要求していました。)
ISPM No.15 の2006 年改訂版全文は、英・日・西・仏語版で当協会ホームページに掲載しますが、ISPM No.15 によるMB燻蒸の新基準は次のようになっています。

木製梱包材料の臭化メチル燻蒸(2006年改訂注4
木製梱包材料は臭化メチルの燻蒸処理をするべきである。この処理はMB マークにより示すものとする。の最低基準は以下のとおりである。木製梱包材料に対する臭化メチル燻蒸処理の最低基準は次の通りとする:

温度 薬剤量g/m3 最低濃度示度(グラム/m3)
2時間 4時間 12時間 24時間
21℃以上 48g 36g 31g 28g 24g
16℃以上 56g 42g 36g 32g 28g
10℃以上 64g 48g 42g 36g 32g

最低温度は、10℃未満になってはならず、最低燻蒸時間は24時間でなければならない。
薬剤濃度の検査は少なくとも、2・4・24時間の時点ですること。
注4 改訂基準を木製梱包材の処理に採用した場合でも、既に消毒した旧基準の梱包材を改めて燻蒸・マーク・証明する必要はない。

WTO(世界貿易機関)の「衛生および植物衛生措置委員会」
第8回年次報告書 2006年6月28日採択 より抜粋・翻訳 (G/SPS/42 2006年8月4日発表)

木製梱包材に対するISPM15 の導入問題
1. 2006 年3 月29-30 日の委員会で、 米国は 木製梱包検疫措置のための国際規格(ISPM 15)の実施に関連した問題に発言した。米国はDebarking問題ほかISPM 15に関するIPPCのアプローチを支持した。アルゼンチ  ンは ISPM 15実施のために作ったシステムを報告した。米国、カナダおよび欧州共同体は他のメンバーをISPM 15 の実施に関する意思を発表するように促した。ISPM 15 の世界的な実施がないと、あらゆる製品の貿易  を危難にさらすことになる。各国がIPPC制定のISPM 15ガイドライン導入を通告・実行し、導入過程を実施すれば、貿易に対して不必要な規制を防ぎ、国際規格の重要性を再確認することになる。
2. 2005 年10 月24 日、2006 年2 月そして2006 年3 月の委員会会合で、米国 ・ カナダは欧州共同体が指令 2004/102 に含まれているDebarking条件を2009年1月1日まで延期する決定をしたことに感謝を表明した。

同問題に対するFAO(国連食料農業機構)のIPPC(国際植物保護会議)の対応
1. 2005年10月および2006年2月の委員会で、IPPC はDebarking に関する新基準案が2006年の植物衛生措置委員会(CPM)においてISPM 15 の修正案として採択するよう、高い優先順位をもって各国協議のために準備  されていることを報告した。ISPM 15 の研修会は成功裏に開催された。この成功をフォローアップするために、IPPC事務局は各国のISPM 15導入の SPS通告をモニターしてきた。この時点で11 カ国が導入を通知した。
2. SPS委員会の6月の会合で、 IPPCは植物衛生措置委員会(CPM)がISPM No.15別添1にある臭化メチル燻蒸のスケジュールへの修正を採用したことを報告した。 これにより最低温度は10℃以下でなく、最低の消毒時  間は24時間となる。薬剤残留濃度の検査は少なくとも、2時間後、4時間後24時間後に遂行されるべきである。

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