北米三国 マイマイガ規制強化 その後の情報 ISPM REPORT

北米三国 マイマイガ規制強化 その後の情報

International Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.08‐14
2008年9月3日付ISPM Report No.08-11にてご案内した、北米三国 マイマイガ規制強化の話題ですが、米国、カナダ、メキンコら米州三カ国の検疫・森林研究機関と検疫当局者らで構成される北米植物防疫機関(North American Plant Protection Organization:NAPPO)の年次総会がメキシコで開かれたようです。
我が国農水省担当官もオブザーバー出席したようですが、その会議では特段の進展はなく、規制強化案の採択を延期、11月中にも専門委員会を開催し、今後の対応策を検討する模様です。

荷主としての最大の関心事は、貨物検査を求める新規制案において、貨物検査とは何処で何を検査するのか、証明書は誰に出されるのか、その証明書は米国での通関に必要なのか・・・・・・と言った点です。日本の全ての港で全ての船を検査するなどと言った無理難題もさることながら、それにもまして北米向けの全ての貨物を船積み前に検査して、それぞれにマイマイガの卵が付着していない旨の証明書が必要などと言った、荒唐無稽な規制を認めるわけには行きません。しかし、NAPPO規制案が貨物検査に関して、実際に何を要求しているのか、農水省ではいまだにはっきりしないようです。

このあたりのニュースは、一般紙や業界紙にはなかなか紹介されません。昨日ご紹介した業界専門誌に、このニュースが掲載されていますので、出版社の了解を得た上でここに転載いたします。(本文は縦書き)

ジャパン・シッピング・ニュース 平成20年10月31日(金)NAPPO マイマイ蛾規則案、事態推移を注視 =日本荷協「貨物検査はオンボード後」と観測=米国、カナダ、メキンコら米州三カ国の検疫・森林研究機関と検疫当局者らで構成される北米植物防疫機関(ノースアメリカン・プラント・プロテクション・オーガニゼーション/ NAPPO) が、温帯アジア全域に生息するアジアン・ジプシー・モス(AGM/マイマイ蛾) の侵入防止を目的とした入港規制の導入を検討している問題で、日本荷主協会は当面の間、事態の推移を注視する構えをみせている。河村常務理事が本紙取材に応え「NAPPO の規制強化案を見る限り、貨物検査はオンボード貨物を対象としており、本船に貨物積込後に(船体検査と同時に) 行われるようだ。同蛾の不在証明書は当該本船・船長に発給されるもので、各荷主ごと、ロットごとに(船積前に) 検査されるものではない、と読める」等と述べ、マイマイ蛾規制は原則的に船社側に対応を求めるスキームになるだろう、との見方を示した。
河村常務理事は「(NAPPO規則案では) 日本の全港が規制対象となる可能性がある。膨大な貨物量に対し(同蛾の有無を)すべてチェックすることは事実上、物理的に不可能ではないか。また(日本に比較してさらにボリュームの大きい)中国出しなどはもっと影響を受けるだろう」とも加え、NAPPO規制案の非合理性等を質している。
NAPPO は先週、メキシコで開催した年次総会で、同案の採択を延期。十一月中にも専門委員会を開催し、今後の対応策を検討する、ともみられているが、動向は不透明だ。
(本紙十月二十八日付、同八日付など参照)
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