梱包材とホルムアルデヒド規制研究会の設置

梱包材とホルムアルデヒド規制研究会の設置

International Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.08‐22
日本荷主協会の活動の一環として、「梱包材とホルムアルデヒド規制に関する研究会」を設置いたします。

目的は、調査・研究・情報の共有にあり、研究会会合のほかにE メール通信の情報交換を考えています。
メンバーの皆様の質問を纏めて、カリフォルニア州当局への質問状なども発信したいと考えています。この問題はカリフォルニア州法から全米の連邦法に広がる可能性もあり、また、労働者の健康問題として欧州諸国で発展する可能性もあります。法規制の実態を正しく理解し、対応策を早めに立てておくべでしょう。

この研究会の成果は各企業のノウハウを含む部分もあるため、当初は一般開示を行わずに、メンバー間のみの共有情報とする予定です。こうした趣旨にご賛同いただけるメンバーを募集いたします。
ご参加の旨をE メールにてご連絡ください。

「梱包材とホルムアルデヒド規制に関する研究会」メンバー募集
メンバーの資格 日本荷主協会会員・準会員(メーカー企業・梱包会社に限定の予定)
および事務局で招聘する専門知識情報を有する企業・団体等
活動予定 会合ならびにE メール等での情報交換
事務局からメンバーに情報配信(一部情報はISPM Report に公開することもあり)
メンバーの義務 情報提供・交換ならびに質問・アンケートなどへの回答
活動期間 とりあえず2009年5 月末まで
費用負担 説明会などでの資料実費等を除き、特になし

解説

梱包材に関するホルムアルデヒド規制問題はいろいろな側面を持っています。カリフォルニア州の合板規制に加え、倉庫などでの労働健康問題も対策を要する問題です。もう2 年ほど前から、米国に到着したコンテナが異常に臭うため荷役拒否にあったり、中国で、中国製LVL 材梱包なのに異臭がするという理由で検疫局から罰金を受けたりしています。コンテナの中で輸送中に蒸散濃度が異常に高くなってしまうのでしょうか。また、合板パレットを多量に保管している倉庫で、従業員の健康障害が出ている事例も報告されています。外国の受け入れ倉庫でこうした梱包材の荷役が滞れば、サプライチェーンに支障が生じます。

輸出用梱包材として合板梱包材が増えた傾向は主に3つの理由から生じていると思います。

(1) まずは、2000ー2001 年ごろの中国とEU の梱包材規制に対して合板梱包材が最終的な解決策として徐々に広がって行ったことです。熱処理をしてもマツノザイセンチュウいると言われることへの防御でした。また、証明書を取得して送付する手間隙を避けることにも役立ちました。
(2) 次は、中国から輸出する貨物の木製梱包材の特殊事情によるものです。中国では梱包業者は日本のようにIPPC スタンプを持てません。パレットや組立て前の木箱は消毒業者に送り、そこでスタンプを押す仕組みです。梱包用の一般木材の供給量があまり多くないことに加え、消毒済み梱包材の輸送費を省くために、ベニヤ板・パーティクルボード・LVL材等の合板梱包材が輸出貨物に多用されています。
(3) 最後に、大型の木材梱包は丈夫で釘打ちの少ない合板を使うためです。この傾向は世界中共通しています。柱や枠組みを一般木材で作り、外壁を丈夫なベニヤ板で囲った梱包は、時として屋外に長期間保管すら可能なものもあるくらいです。

文責: 日本荷主協会 常務理事  河村 輝夫

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