06/01/20 No.06-10　EU　DB要求2008年末まで延期 ISPM REPORT

EU 諸国向けの木製梱包材「DB 要求」2008 年12 月まで再延期

International Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.06‐10

農林水産省植物防疫課御中平素は、貿易貨物の木製梱包材検疫問題にご指導を賜りまして、厚く御礼申し上げます。さて、EU諸国の「DB要求」に関する対応として、1月12日付の「輸出用木材こん包材消毒実施要領」（平成１５年１０月１６日付け消費・安全局長通知）の一部改正新旧対照表が、1月17日に植物防疫所のホームページに掲載されたばかりです。以前から、私はこのDB要求は再延期になるとの予測を述べておりましたが、確定的な情報が入りましたのでお知らせいたします。欧州時間1月19 日朝（日本時間19 日夜中）に入った情報によれば、以下の通りです：－「欧州委員会植物衛生常設委員会は、昨日（18日）木製梱包材の新規則導入を2008 年12月まで延期することを投票で決定した。EU 指令2004/102/ECには害虫の侵入を防止するための検疫措置として木製梱包材を樹皮を剥いだ木材から作ることを要求する“問題の”条項が含まれている。この延期によりDB 要求を多国間で導入することを国際植物保護会議（IPPC)に検討してもらう意図がある。 IPPC の森林検疫問題技術審査会では次回2006年7月の会議で、樹皮剥ぎ問題の技術的正当性を審議する。欧州委員会健康消費者保護総局（DG Sanco)ではこの延期問題につき2007年9月に再検討することになっている。」従来から、農水省では日本荷主協会の情報は今まで何時も眉唾との印象があるようです。古い話を言いますと、当協会では2003年3 月末に米国でのISPM No15 導入動向を伝えていましたが、その年の5月半ばのある農水省説明会の席上「米国がISPM No.15 を導入するとか言うデマが流れている」と担当課長補佐殿が述べられていたことがありました。昨年11 月、日本荷主協会中国調査団の上海検疫局訪問後の、「円形マーキングは中国では受け入れられない」と言うレポートも同様にデマとして受け止められたのでしょう。

鉄鋼業界などでは欧州への航海日数の関係から直ぐにも「実施要領改正」に従って、梱包材にDBマークを付け始めるようです。従って、「コンプライアンスを重んじる同業界にはこうしたニュースは農水省や認証団体が確認するまでは、当協会からは流さない方が良いでしょうね」と昨日電話で冗談交じりに話したばかりです。

以上ご参考までにお伝え申し上げます。

欧州からの情報を原文のまま伝えますと：The Standing Committee on Plant Health voted yesterday to delay until December 2008 the implementation of its new directive on wood packaging material (WPM). Directive 2004/102/EC contains a “controversial” requirement that WPM be made from debarked wood as a phytosanitary measure to prevent the introduction of pests. The delay is intended to allow the International Plant Protection Convention (IPPC) time to consider multilateral implementation of a debarking requirement. The IPPC’s Technical Panel on Forestry Quarantine will consider the scientific justification for debarking at its next meeting, scheduled for July 2006. The European Directorate of Health and Consumer Protection (DG Sanco) will reevaluate the delay in September2007.