ISPM No.15の見直しが進行中 ISPM REPORT

ISPM No.15の見直しが進行中

International Standards for Phytosanitary Measures ISPM REPORT No.08‐09
2002年3月にローマに本部を置く国連下部組織である食糧農業機関(FAO)の国際植物保護条約事務局(IPPC)では、貿易貨物に使用する木製梱包材の規制に関する国際基準である ISPM No.15 を制定した。
更に2006年に、メチルブロマイド燻蒸消毒の要求事項につき若干の改定が行われた。
この ISPM No.15 は定期的な見直しと修正を行うものとなっているが、2008年6月に見直し案が提示され、9月末の締め切りで各国コメントが求められている模様。
その見直し案の中身は、現行のものに比べ基本的に大きな変化はないが、貿易業界・梱包業界にとり影響のあるいくつかの修正ポイントを紹介する。
(新基準の実施時期は来年春以降と思われる。)

(1)木製梱包材の再利用 および 修理した木製梱包材
消毒処理マークのある木製梱包材の反復再利用を本文中に明確に規定。また、一部の部材を消毒処理済の木材で交換修理した木製梱包材は、修理部分が全体の三分の一以下であれば新たにマークをつける必要はない。(従来は修理部材一つ一つにマークを要求):「リサイクル、再製作または修復した木製梱包材料または物品は再度認証し、再度マーキングしなければならない。それらの材料の全ての部材を処理すること」となっていた。
(2) 樹皮の除去
消毒処理要求に加え、樹皮は除去しなければならないが、次の基準の少量の樹皮は残っていても構わない。
-幅3センチ以下のもの(長さには関係ない)
-幅3センチ以上であれば、一つの樹皮面積が50 平方センチ以下であるもの。
(2009年1月以降のEU におけるDB マーク要求と、この修正案との関連が注目される。EUにおいてもDBマークが必要なくなる可能性もある。この案はDB マークに執拗に反対していた米国の譲歩案の可能性もある。)
(3) マーキング
マーキングの枠内には 国名コード、生産者コード のみを記載し他の情報は記載しないこと。
(従来は、DB マークも枠内に入れていた。新基準ではDB マークを付けるにはマークの外しかできない)
(5) ダンネージに対するマーク
ダンネージ材には処理済木材を使い全てのダンネージ材にマークを付すこと。このために、長いダンネージ用木材全体にマークを押し、どこを切って使用してもマークが出るようにするか、ダンネージを施すごとにそこでスタンプを押すなどの工夫をすること。
(ダンネージに対する要求事項は現行に比べて厳しくなっている。これは各国における検疫実態を反映しているものと思われる。長くて表面加工の粗いダンネージ材にスタンプを押すには、特殊なローラースタンプやステンシルが必要であろう。
また、荷役業者などに対するスタンプ配布基準の見直しが必要であろう。この基準の変更により、ダンネージ材をLVL材など加工木材に切り替える要請も出てくるであろう。)
(6) マークのサンプル
こんな細長いものや、ステンシルにあわせたデザインもOK になっている。ダンネージ材には便利であろう。
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